【3月6日 AFP】イスラエルは5日、パレスチナ過激派に届けられる予定だった高性能ロケット弾を積んだイランの船舶を拿捕(だほ)したと発表した。イランの核開発問題をめぐる国際協議で同国政府が信用できないことが証明されたと主張している。

 イスラエルはこれまでにも、イランとシリアがレバノンのイスラム教シーア派原理主義組織ヒズボラ(Hezbollah)と、パレスチナ過激派勢力に対し軍事支援をしていると非難してきた。イスラエル軍報道官室がマイクロブログのツイッター(Twitter)で行った発表によると、拿捕された船舶は、「イスラエル全土を攻撃可能な」兵器を積んでいたという。

 イスラエル軍によると、シリアで製造され、イランに陸路で輸送された地対地M302ロケット「数十発」を積んでガザ(Gaza)地区に向かっていた貨物船「Klos-C」が、紅海(Red Sea)のスーダンとエリトリアの間で拿捕された。

 訪米中のイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は声明で「イランは(核)協議をし、国際社会に良い顔を見せる一方で、テロ集団の武装を続け、世界中でテロをはたらいているのだ」と述べ、欧米諸国に対し、イランとの核協議での注意を促した。

 イランのアラビア語衛星テレビ「アルアラム(Al-Alam)」によると、同国の軍当局者はイスラエルの発表について「全くもって事実無根」と否定している。

 ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織の「ハマス(Hamas)」と「イスラム聖戦(Islamic Jihad)」もイスラエルの発表を否定。イスラム聖戦の幹部は「武器の入手方法は他にもたくさんある」と述べ、ガザ地区攻撃の口実を作ろうとしているとしてイスラエルを非難した。(c)AFP