【3月5日 AFP】中国の李克強(Li Keqiang)首相は5日、同日開幕した全国人民代表大会(National Peoples Congress、全人代、国会に相当)で施政方針演説に当たる政府活動報告を行い、2014年の経済成長率の目標を昨年と同じ7.5%前後に設定すると発表した。

 世界第2位の経済大国である中国の経済成長率は、一時は2桁成長が続いたが近年は減速傾向にある。2013年の経済成長率はその前年と同じ7.7%と1999年以降最低を記録し、02年以降で初めて3年連続の1桁成長となった。

 李首相は、7.5%という今年の経済成長目標は「市場の信頼を高め、経済構造改革を促進するだろう。国内需要の喚起は経済成長の大きな牽引力であると同時に、重要な構造調整でもある」と述べた。

 中国指導部は経済成長モデルを転換して、無駄も多い投資に過度に依存するモデルと決別し、代わりに将来的な発展のけん引役を民間需要に担わせようとしている。中国経済がバランスのとれた持続可能なモデルへの移行を目指している中、政府は経済の過熱感を抑えようとしている。

 また、全人代のために作成された予算報告書によると、2014年の中国の国防予算は前年実績比12.2%増の8082億3000万元(約13兆5000億円)。中国の国防予算は前年実績比で2011年は12.7%、2012年は11.2%、2013年は10.7%の伸びを示してきた。

 専門家の間では、中国の実際の国防費は公表されているよりもはるかに多いとみられている。米国防総省は2012年の中国の国防費は1350億~2150億ドル(13兆8000億~22兆円)だったと推定している。(c)AFP