【3月4日 MODE PRESS WATCH】ビジュアルデザインスタジオWOW inc.が、プロダクトデザイナーのマーク・ニューソン(Marc Newson)とコラボレーションする。今回最強のタッグによって生まれたのは、1000年以上の歴史を誇る日本第一級の伝統工芸の粋を「日本刀」に集約させたオリジナルアートピース“aikuchi”(アイクチ)。「日本の美意識」と「伝統の工芸技術」、そして「革新のデザイン」によって創り上げた“aikuchi”は、これまでの概念を覆す「アート」としての日本刀だ。世界限定10組しか存在しない貴重な本作を、世界に先駆け3月20日に、東京で一般公開される。

 本プロジェクトでWOW inc.とマーク・ニューソンは、刀身を作り出す法華家、東北伝統の箪笥「岩谷堂箪笥」の職人技術を活かした収納ケースと東北伝統の漆塗り「秀衡塗(ひでひらぬり)」の職人技術を活かし、刀装具のデザインに落とし込んだ。鞘(さや)のグラフィックパターン、鐔(つば)の加工法、紐、収納ケース、ディスプレイに至るまで、職人たちの技と意見を取り入れながら完成させた。

 今回の作品名でもある“aikuchi”は、鐔(つば)を持たない形状の日本刀“合口”を指す。これは、武器として生まれた日本刀が、時代の変化とともにその形を進化させ、平和の時代を迎えたとき、身を守るための鐔(つば)という機能をなくしたことに通じる。日本刀合口は平和の象徴であり友好のかたちと考え、その価値は「お守り」という概念に進化し現代へ継承されてきた。今回マーク・ニューソンはこの合口の持つ意味に共感し、これらの考え方を作品へと昇華させ“aikuchi”を生み出した。

会場:東京美術倶楽部 3階 (東京都港区新橋6 -19 -15 (Tel 03-3432-0191(代) )
会期:2014年3月20日(木) 10時~17時 一般向け展覧会
HP :w0w.co.jp/aikuchi
主催:aikuchi制作委員会(WOW inc. / Marc Newson Ltd / EXS inc. / 東北経済産業局)
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