パキスタン首都の裁判所施設を武装集団が襲撃、11人死亡
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【3月4日 AFP】パキスタンの首都イスラマバード(Islamabad)で3日午前9時(同日午後1時)ごろ、裁判所などが入る複合施設を武装集団が襲撃し、銃撃と2度の自爆攻撃により判事1人を含む11人が死亡、29人が負傷した。警察が発表した。
パキスタンでは2007年からイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(Tehreek-e-Taliban Pakistan、TTP)」による激しい攻撃が続いているが、厳戒態勢が敷かれている首都中心部ではここ数年、襲撃事件はほとんど発生していなかった。
この事件について、TTPは関与を否定。TTPは2日前に、行き詰っていた政府との和平交渉再開を目指して1か月の停戦を発表したばかりだった。TTPから最近分派したアハラールル・ヒンド(Ahrar-ul-Hind)という武装グループの報道官が犯行を認めた。
政府との和平交渉をめぐっては、TTP内で意見対立が生じていると報じられており、TTPが分裂すれば和平プロセスは無意味なものになりかねないと識者らは危惧している。しかしTTP側の交渉団の指導部は、政府との対話が成果を挙げる可能性はまだついえたわけではないと主張している。
チョードリー・ニサル・アリ・カーン(Chaudhry Nisar Ali Khan)内相は、国民議会(下院)で演説し、今回の襲撃は過去3日間に情報当局がイスラマバード近郊でテロ容疑者7人を逮捕したことに対する報復ではないかという考えを示した。
今回の襲撃による死者の1人は、2007年に首都の「赤いモスク(Red Mosque)」占拠事件に実力で対応したことをめぐり、ペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)元大統領の訴追を求める請願を昨年却下した判事だった。ムシャラフ元大統領の訴追手続きは後に開始されており、この襲撃の標的が同判事だったかどうかは今のところ明らかになっていない。(c)AFP/Gohar ABBAS