シリアのパレスチナ難民キャンプ、停戦合意崩れる
このニュースをシェア
【3月3日 AFP】シリアの首都ダマスカス(Damascus)南方のヤルムーク(Yarmuk)で4万人が暮らすパレスチナ難民キャンプで2日、数週間続いていた停戦を破り銃撃戦と砲撃があり、男性1人が死亡した。
非政府組織(NGO)のシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、アサド政権側についているパレスチナ解放人民戦線総司令部派(Popular Front for the Liberation of Palestine-General Command、PFLP-GC)と、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系イスラム過激派組織「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」の間で戦闘が起きた。
両者は先月10日、難民キャンプからアルヌスラ戦線が戦闘員を撤退させた後に停戦していた。双方とも停戦を破ったのは相手だと非難している。ヤルムークのキャンプには非人道的な環境下で4万人が暮らしている。停戦期間は短かったが、その間かろうじて国連(UN)機関のパレスチナ難民支援が入ることができた。
アルヌスラ戦線は2日、停戦を破ったとしてバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領と同盟を組むPFLP-GCを非難した。一方、PFLP-GC側はアルヌスラ戦線側が合意を破って同日朝、キャンプに再進入したと責めている。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のクリス・ガネス(Chris Gunness)報道官は、マイクロブログのツイッター(Twitter)で「悪い知らせだ。包囲されているヤルムークのパレスチナ難民キャンプに今日はUNRWAの食糧配給がないようだ」と述べた。
UNRWAでは1月以降、同キャンプに7500包以上の食糧支援を行っているが「需要を高波に例えれば、これまでの支援は海に落ちた水滴のような微々たるもの」だと述べている。
戦闘前に15万人以上だったヤルムークの人口は、アサド政権側と反体制派による数か月の戦闘を経て4万人にまで減っている。うち1万8000人がパレスチナ難民だ。(c)AFP