EUの洪水被害額、2050年までに倍増の恐れ 研究
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【3月3日 AFP】欧州連合(European Union、EU)の洪水被害による損失が、2050年までに2013年の損失総額の2倍となる年間235億ユーロ(約3兆2800億円)に達する可能性があるとの研究論文が2日、英科学誌「ネイチャー・クライメート・チェンジ(Nature Climate Change)」に発表された。気候変動と経済発展がその理由として挙げられている。
オーストリアの「国際応用システム分析研究所(International Institute for Applied Systems Analysis、IIAS)」などの研究チームが発表した論文によると、洪水による損害額は、2000年~2012年では年間平均49億ユーロ(約6800億円)だったが、2013年には120億ユーロ(約1兆6800億円)に増加したという。
また論文によると、2050年までの予測される増加分の3分の2は、洪水の発生が予想される地域の資産に対するリスク増加で説明され、残る3分の1は地球温暖化によって引き起こされる降雨傾向の変化で説明されるという。
2013年に全世界を襲った洪水に匹敵する程の重大な被害をもたらす洪水は、統計平均で約16年に1度の頻度で発生する可能性があるが、この発生率は2050年までに10年に1度に上昇すると論文は警告している。
今回の研究では、水文学、経済学、数学、気候変動への適合などの研究分野を統合して、欧州における洪水リスクの概算的な評価を行った。