【3月1日 AFP】近年、野生動物の殺りく件数が急増している中、ケニアで2013年に武装した密猟者によって殺されたサイの数が、前年から倍に増えたと同国当局が27日明らかにした。

 ケニア野生生物公社(Kenya Wildlife ServiceKWS)の報道官によると、角を目当てに殺されたサイの数は、2012年には30頭だったが、昨年は少なくとも59頭に上った。ケニアでのサイの生息数は現在、約1030頭とされている。

 サイは、厳重に警備されている首都の国立公園内でも殺されている。希少動物の殺りくを阻止するために厳しい新法が施行されたにもかかわらず、密猟者らはそれを物ともせず、密猟件数は増加の一途をたどっている。KWSの報道官は「密猟者はより激しさを増している。彼らは獲物を手にするためには何でもする。ゾウやサイの前に立ちはだかる人がいれば、殺すだろう」と指摘している。

 近年アフリカでの密猟は急増しており、中でも特に狙われているのはサイとゾウだ。国際刑事警察機構(InterpolICPO)が今週発表したところによると、世界各地で押収された象牙は前例のない数に達している。

 サイの角は、ヒトの爪と同様にケラチンでできている。密輸されたサイの角を買い取るアジアの消費者は、サイの角に強力な薬効成分が含まれていると信じているとされる。(c)AFP