米食品ラベル、20年ぶり大刷新 ミシェル夫人が発表
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【2月28日 AFP】カロリー表示は太字で、含有糖質量は実際の分量で記載――米国内で販売される食品に義務付けられる栄養成分表示ラベルの改定案2種を、ミシェル・オバマ(Michelle Obama)米大統領夫人が27日、ホワイトハウス(White House)で発表した。
深刻化する肥満対策の一環で、70万超の食品が対象となる過去20年で最大の食品ラベル改革となる。消費者が健康に配慮して食品を購入できるようにすることで、不健康な食生活に起因する慢性疾患を減らし、数十億ドル規模の医療費削減を目指す。
新しい食品ラベル規格は、提示された2案について90日の意見聴取期間を経た後に最終案を決定し、さらに2年をかけて導入される見通しだ。
■1袋?1人分?混乱招く食品ラベル
これまでの米国の食品ラベルでは、1人前のアイスクリームの分量を「半カップ」と表示したり、マフィン1パックを「2人前」と表示したりしていたが、新規格では禁止される。表示された栄養成分が1袋・箱分のものなのか、1人分についてなのかといった混乱をなくすためだ。
例えば20オンス(600ミリリットル)入りの炭酸飲料の場合、現行のラベルは2.5人前の分量と換算し、1人前のカロリーを表示している。新規格では、600ミリリットル分のカロリーが表示される。
袋入りの菓子パンやクッキー、焼き菓子なども、1袋を2人前と表示するラベルが一般的で、誤解を招くとの指摘が専門家らから出ている。
■カロリーは強調、「添加糖分」も表示
また新ラベルでは、カロリー表示は他の成分よりも大きく太い字で強調するほか、糖質は全体量に加えて「添加糖分」を別項目で表示する。また、米国内の食品ラベル規格として初めて、カリウムとビタミンDの含有量表示を義務付ける。
一方、現行表示のうち、脂肪分に含まれるカロリーの表示義務がなくなる。政府の担当者によるとこれは、20年前と比べて現在の健康問題の専門家は善玉脂肪と悪玉脂肪の違いをよりよく理解しているためだという。
米疾病対策センター(Centers for Disease Control and Prevention、CDC)によれば、米国人の35.7%は肥満で、成人の肥満傾向は近年も続いている。(c)AFP/Kerry SHERIDAN