洋上風力発電で「ハリケーンを弱体化」、米研究
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■最大風速44メートル減も、「カトリーナ」で試算
研究チームは、2005年に米ニューオーリンズ(New Orleans)に壊滅的な被害をもたらしたハリケーン「カトリーナ(Katrina)」や、2012年にニューヨーク(New York)からニュージャージー(New Jersey)州にかけての沿岸を襲った「サンディ(Sandy)」の例を挙げ、もし沖合に洋上風力発電所があったとしたら勢力が弱まっていただろうと指摘している。
カトリーナの場合、最大風速は44メートル弱まった可能性があり、高潮の高さも最大79%低下したろうと研究チームは推測している。また、サンディの場合は最大風速は38メートル、高潮の高さは34%抑制できたとの分析モデルが示されたという。米海洋大気局(National Oceanic and Atmospheric Administration、NOAA)によれば、カトリーナの最大瞬間風速は約78メートルだった。
ただ、この研究では、風力タービンは熱帯低気圧の暴風雨によって破損することなく発電し続けているものと仮定してシミュレーションを行っている。また、沖合に設置する風力タービンの数は7万8000基で、30万キロワット以上の発電能力を備えていると仮定している。
現在、世界最大の洋上風力発電所は英国の南東沖にある「ロンドン・アレイ(London Array)」で、風力タービン数は175基だ。(c)AFP