【2月27日 AFP】英ロンドン(London)南東部ウーリッチ(Woolwich)の路上で昨年5月に英陸軍兵士が殺害された事件で、ロンドンの中央刑事裁判所(Old Bailey)は26日、殺人罪で有罪となったイスラム過激派のマイケル・アデボラージョ(Michael Adebolajo)被告(29)に仮釈放を認めない絶対的終身刑を、共犯のマイケル・アデボワール(Michael Adebowale)被告(22)に禁錮45年の刑をそれぞれ言い渡した。

 この事件は、英陸軍兵士だったリー・リグビー(Drummer Lee Rigby)さん(当時25)が2013年5月、ウーリッチにある英陸軍兵舎の外の路上で白昼、惨殺されたもの。両被告はリグビーさんを車ではねたうえ、複数の刃物で何度も刺して殺害したとして同12月、有罪判決を受けていた。

 両被告は改宗したイスラム教徒で、事件は「テロリストによる殺人」として英国民を震撼させた。

 ナイジェル・スウィーニー(Nigel Sweeney)判事は、事件について「テロリストと関連のある」殺人で、「無慈悲で胸が悪くなる」犯行だと述べた。両被告は量刑言い渡しの直前、「アッラー・アクバル(アラーは偉大なり)」と叫びだし法廷から引きずり出された。

 両被告は英国籍で、共にナイジェリア出身のキリスト教徒の家庭に育ったが、後にイスラム教に改宗した。アデボラージョ被告は過去にアフガニスタンで服役歴があり、かねて国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)を公然と称賛していた。

 リグビーさん殺害について両被告は、英国軍によってイスラム教徒が殺害されたことへの復讐として非番の英軍兵士を襲撃したと供述していた。

 量刑言い渡しにあたって裁判所の前には極右のデモ隊が集まり、英国旗や絞首台を手に死刑の復活を訴えて警察ともみ合う一幕もあった。(c)AFP/Danny KEMP