14年末以降の米軍駐留、アフガン大統領選後の決断も 米政府
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【2月26日 AFP】米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は25日、アフガニスタンのハミド・カルザイ(Hamid Karzai)大統領に対し、米軍の完全撤退を検討していると伝えるとともに、2014年末以降の駐留について、カルザイ氏退任後の新政権と合意に至る可能性は排除しないと言明した。
カルザイ氏は、大統領の任期が残りわずかになった時点で、2014年以降の米国との2国間安全保障協定(Bilateral Security Agreement、BSA)の調印を拒否して米国を激怒させた。米国は今回の動きでカルザイ氏への圧力を強め、米国とカルザイ氏の政治的対立に新たな局面をもたらした。
米国が出した声明によると、「オバマ大統領はカルザイ大統領に対し、カルザイ氏がBSAに調印する可能性が低いことが明確になったことを受けて、米国は追加的な対応策を進めていく方針だと伝えた」として、「特にオバマ大統領は米国防総省に対し、もし2014年より後にアフガニスタン国内に米軍を一切駐留させないのであれば、今年末までに混乱なく米軍の撤退を完了できるよう適切な計画を用意しておくよう指示した」としている。
ホワイトハウス(White House)は先にも、昨年困難な交渉を経てようやく合意に至った協定に対し、カルザイ氏がかたくなに調印拒否の姿勢を崩さないのであれば、完全撤退を考慮するしかないと警告していた。米国にとって最も長い戦争の舞台となったアフガニスタンに、米軍がBSAに基づく法的な保護を得ないまま駐留を継続することをホワイトハウスは拒否している。
北大西洋条約機構(NATO)軍部隊が撤退した2014年より後の訓練と対テロ作戦を定めている同協定の調印をカルザイ氏は拒んでいるが、4月に予定されている大統領選の立候補者の一部は調印する意向を表明している。さらに首長や長老、政治家らによるロヤ・ジルガ(Loya Jirga、国民大会議)も、同協定を承認している。
米政府の声明によると、アフガニスタンの新大統領が米国に協力的なパートナーになる意欲があると分かれば、「年内にBSAを締結する可能性」は残しているとしている。米政府が、アフガニスタンで米軍が果たす役割に関して最終的な決断を下す前に、アフガニスタンの大統領選挙の結果を待つ用意があることをこれほど具体的に示したのはこれが初めて。(c)AFP/Stephen COLLINSON