【2月25日 AFP】世界的にも極めて厳しい反同性愛法が成立したばかりのウガンダで25日、大衆紙が同性愛者とされる国民200人のリストを掲載した。ヨウェリ・カグタ・ムセベニ(Yoweri Kaguta Museveni)大統領は同法案への署名に際し、同性愛は「金目当ての売春行為」だと述べていた。

 タブロイド紙レッドペッパー(Red Pepper)には、「発覚!ウガンダの同性愛者トップ200」との見出しが躍り、同紙が同性愛者とみなす人々の写真に加え、それぞれが及んだとされる同性愛行為が生々しく記述されている。

 同国では2011年にも、別の新聞が同性愛者らの写真と名前、住所、さらに、「こいつらをつるし上げろ」という文言を加えた記事を一面に掲載し、同性愛者の人権活動家デービッド・カト(David Kato)氏が撲殺される事件が発生している。

 ムセベニ大統領が24日に署名して成立した反同性愛法は、同性愛行為を繰り返した者に終身刑を科すことを可能にする他、同性愛を助長する行為を禁じ、国民に同性愛者の告発を義務付けている。

 ムセベニ大統領は、同性愛の男性がなぜ「美しい女性らには目もくれず、男に引かれる」のかが理解できないと語ると同時に、特に同性愛者間のオーラルセックスに対する強い不快感をあらわにした。

 同法案の署名に先立ち、欧米諸国や主要な援助国からは強い批判が集まっており、中でも米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領はウガンダと米国の2国間関係が損なわれる恐れもあると警告していた。

 米国式の福音主義キリスト教の信者が増加傾向にあるウガンダでは、同性愛嫌悪の風潮が広がっている。同国在住の同性愛者らは、嫌がらせや暴力行為の脅迫を頻繁に受けている。また、人権活動家らは、同性愛の女性に対する「(同性愛の)矯正目的」と称するレイプの事例も複数報告している。(c)AFP