【2月25日 AFP】ブラジルのサントスFC(Santos FC)は24日、W杯ブラジル大会(2014 World Cup)開幕戦の開催地で行われたカンピオナート・パウリスタ(サンパウロ州選手権)のリーグ戦終了後、ファンが暴行を受けて死亡したことを明らかにした。

 被害者となった34歳のブラジル人男性は、元ブラジル代表のペレ(Pele)氏がかつて在籍したサントスFCとサンパウロFC(Sao Paulo FC)の試合後、バス停留所で約15人のファンから金属棒による襲撃を受けた。

 地元メディアは、15歳のサポーターも地下鉄の駅で襲われ、重体になったと伝えている。

 今回の事件を受けてサントスFCは、「悲しむべきことに、暴行で犠牲者が出た。そのうち1名は命が奪われた」と声明を発表し、嫌悪感をあらわにした。

 サントスはまた、サッカーが「平和の文化として、世界に発展していくことが不可欠である」と訴えた。

 ブラジルのテレビ局グロボ(Globo)は、亡くなった男性と一緒にいた2名のサントスファンが暴行を辛うじて逃れたと報じた。

 また、同局は被害者の妻の言葉として、「犯人が手を止めたのは暴行に飽きたからだと思います。誰かが来たからではありません」と伝えている。夫妻には生後5か月の子どもがいた。

 被害者は0-0で引き分けた試合の後、病院に搬送され、間もなく亡くなった。

 グロボによると24日夜までに、この事件に関連した逮捕者はいないとしている。