【2月25日 AFP】エジプトで24日、軍が擁立した暫定政権のハゼム・ビブラウイ(Hazem al-Beblawi)内閣が総辞職した。アブデルファタフ・サイード・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)国防相兼軍最高評議会議長の大統領選出馬に向けた布石とみられる。

 シシ氏が大統領選を視野に入れ国防相を退任できるよう、部分的な内閣改造はすでに取り沙汰されていたが、予想外の総辞職は一部の閣僚にも驚きを持って受け止められた。

 軍がムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領を退陣に追い込んだ後、昨年7月に任命されたビブラウイ政権は、景気の悪化に加え、過激派による攻撃やストライキが相次いだことから退陣を求める声が強まっていた。シシ氏が出馬するとみられる大統領選を今春に控え、ビブラウイ色を一掃した新内閣を樹立する狙いがあるという見方もある。

 国内に深刻な対立が生まれた1年間のモルシ氏の大統領在任期間を経て、シシ氏は現在、エジプトで最も人気の高い政治家と目されているが、ビブラウイ内閣で国防相と第1副首相を務めていたため、大統領選へ正式な出馬を表明する前に政府と軍からはずれる必要があった。側近らによると同氏はすでに出馬の意向を固めており、近く発表する予定だという。(c)AFP/Jay DESHMUKH