【2月24日 AFP】台湾独立派の急進的組織「公投護台湾聯盟(Alliance for a Referendum to Safeguard Taiwan)」は23日、「中華民国の父」と呼ばれる孫文(Sun Yat-sen)の銅像を引き倒したと発表した。

 倒されたのは台湾南部の台南(Tainan)市の公園にあった孫文像。半世紀以上にわたってこの公園に立っていたが、独立派組織の活動家数十人が襲撃し、ロープを使って重さ600キロの像を引き倒した。像には赤いペンキがかけられ、「ROC(中華民国)は出て行け、打倒KMT(国民党)」との抗議スローガンが書かれた。

 台湾の与党・国民党(KuomintangKMT)はこの事件を非難している。中国と台湾の関係は近年、改善しているものの今回の事件は台湾の一部に根深い中国政府への強い敵対心を表すものといえる。

 孫文は中国本土で数世紀に及んだ清朝の支配を国民党を率いて終わらせ、1911年に共和制の中華民国を建国した人物。中国の正式名称が中華人民共和国であるのに対し、台湾は中華民国と称している。孫文は1925年に死去し、その後、国民党軍は蒋介石(Chiang Kai-shek)の下、毛沢東(Mao Zedong)の共産党との内戦の末、1949年に台湾へ逃れた。

 孫文像のあった公園は長年、国民党の支持者と、対立する台湾独立派の火種となっている。(c)AFP