「中国のアフリカ進出、植民地時代と同じ」J・グドール博士
このニュースをシェア
【2月24日 AFP】英国の高名な霊長類研究者で自然保護論者のジェーン・グドール(Jane Goodall)博士がAFPとのインタビューで、現在の中国はかつてアフリカを植民地支配した欧州列強と同じように、環境に壊滅的な被害をもたらしながらアフリカの資源を搾取していると述べた。
4月に80歳の誕生日を迎えるグドール博士は今も世界各地を回り、地球に対する脅威について精力的に講演活動を行っている。そのグドール博士の主たる研究対象であるチンパンジーや野生動物の生息環境について語るとき、新興大国・中国のアフリカ大陸への進出は特に警鐘を鳴らす出来事だという。
中国は過去10年間、鉱山や油田の開発から、それに関連する建設会社の運営まで、アフリカの天然資源に大規模な投資を行ってきた。そうした動きに対し自然保護活動家などからは、中国企業は資源争奪戦により環境が受ける打撃にほとんど注意を払っていないと非難の声が上がっている。
グドール博士は南アフリカのヨハネスブルク(Johannesburt)でAFPの取材に対し「アフリカで中国がしていることは単に旧宗主国がしたことと同じだ。植民地主義者たちがアフリカに踏み込んで資源を奪ったように、自分たちの経済成長のために原材料を求め、貧困を悪化させる──中国は大国に成長し、技術は向上している。(もたらされる打撃は)壊滅的だ」と話した。
中国はアフリカの鉱山に対する大々的な投資の他に、象牙やサイの角の巨大市場であり、密猟は憂慮すべき水準にまで増えている。しかし、この問題についてはグドール博士は楽観的で「中国は変わりつつある」と述べ、例として中国当局が最近、押収した象牙を公開処分したことに触れ「10年前だったら、国際的な圧力を受けても政府は象牙を処分しなかっただろうし、公式の宴席でのフカヒレスープの提供を禁止することもなかっただろうが、今は変わった」と語った。