【2月24日 AFP】ナチス・ドイツ(Nazi)によるユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)の生存者では世界最高齢だったアリス・ヘルツゾマー(Alice Herz-Sommer)さんが23日朝、英ロンドン(London)で死去した。110歳。ヘルツゾマーさんの家族が同日、明らかにした。

 ヘルツゾマーさんはチェコスロバキア(現チェコ)の首都プラハ(Prague)出身。第2次世界大戦(World War II)中、同国テレジン(Terezin)にあったユダヤ人強制収容所に送られ、2年間収容されていた。収容所ではピアノを弾いて他の収容者たちを元気づけていたという。 

 同郷の実存主義作家フランツ・カフカ(Franz Kafka)とは、家族ぐるみの親交があった。

 ヘルツゾマーさんの人生を主題としたドキュメンタリー映画『The Lady In Number 6: Music Saved My Life(6号室の女性:音楽が私の命を救った)』は、3月2日に発表される2014年アカデミー賞(Academy Awards)の短編ドキュメンタリー部門にノミネートされている。38分の映画の中でヘルツゾマーさんは、幸せな人生には音楽と笑いが大切だと語っている。

 テレジン強制収容所には約14万人のユダヤ人が送られ、うち3万3430人が同収容所で亡くなっている。(c)AFP