パキスタン、武装集団の潜伏地を空爆 38人死亡
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【2月24日 AFP】パキスタン空軍は23日早朝、同国北西部にある武装組織の潜伏場所を空爆し、少なくとも38人が死亡した。当局が明らかにした。
カイバル(Khyber)部族地域のティラ峡谷(Tirah Valley)にある武装組織の隠れ家に対する空爆は、同国で相次ぐ武装勢力による攻撃に対する報復としてパキスタン空軍が2月20日から続ける空爆の3回目にあたる。
この報復攻撃は、先週のイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(Tehreek-e-Taliban Pakistan、TTP)」によるパキスタン兵士23人の処刑に対するもの。兵士処刑は和平協議の妨げとなっていた。
同国軍は声明で、「重要な司令官数人を含むテロリスト38人の死亡が確認された」「潜伏場所6か所は完全に破壊された」と発表した。一方の地元当局は、これは軍が管轄する問題だとしてコメントを拒否。ジャーナリストが空爆地域に入ることは困難なため、死傷者数を独自に検証することは不可能な状態だ。
ナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)首相が1月29日に呼び掛け始まった和平交渉は数回行われたが、2月16日、アフガン国境近くの北西部モーマンド(Mohmand)管区でTTPの1派が、2010年6月に同地域で拘束した兵士23人を処刑したと発表。これに激怒した政府側の交渉団は翌17日、予定されていた次回協議への出席を拒否していた。
政府側仲介者は交渉再開の条件として停戦を求めているが、TTP側のシャヒドラ・シャヒド(Shahidullah Shahid)報道官は21日、交渉の行き詰まりはパキスタン政府に責任があり、政府がまず停戦宣言を出すよう求めている。(c)AFP