ウクライナ大統領、出国に失敗か
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【2月23日 AFP】ウクライナの国境警備当局によると、同国のビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)大統領の側近が22日、国境警備員に賄賂を渡して大統領の国外脱出を認めるよう要求していたことが明らかになった。しかし出国は認められず、大統領は国内にとどまっているとみられる。
当局の報道官はAFPに対し、「ドネツク(Donetsk)の空港を離陸しようとしていた自家用機は、(出国に)必要な書類を携帯していなかった。当局の職員らが書類を確認しようとしたところ武装した複数の人物に、金を渡すから急いで離陸させろと要求された」と説明した。「その後、装甲車が2台到着し、大統領を乗せて走り去った」という。職員らは、自家用機の行き先についても報告を受けていなかった。
ただし、報道官の発言の真偽について、現在のところ裏付けは取れていない。
一方、国内ではテレビで、大統領が「国外に出ることはない。私は合法的に選出された大統領であり、辞任する考えはない」と述べる様子が放送された。22日にウクライナ東部で撮影した映像とされている。
新たに選出されたオレクサンドル・トゥルチノフ(Oleksandr Turchynov)最高会議(国会)議長は、大統領はロシアに逃亡しようとしたが失敗し、ドネツクに「隠れている」との見方を示した。
国会は22日、反政権デモ隊の多くが警官に射殺されたことなどを受け、大統領の解任を決議している。(c)AFP