【2月23日 AFP】メキシコ海兵隊は22日、13年間追跡してきた麻薬密売組織の最高幹部、「エル・チャポ(El Chapo)」ことホアキン・グスマン(Joaquin Guzman)容疑者(56)を拘束した。米治安当局者が匿名を条件にAFPに語った。

 グスマン容疑者は、現地時間午前6時ごろ(日本時間午後10時ごろ)、太平洋に面したシナロア(Sinaloa)州のリゾート地マサトラン(Mazatlan)のホテルで拘束された。拘束時に発砲などはなかったとみられる。

 同容疑者は、メキシコを数年にわたり苦しめてきた麻薬がらみの犯罪の多くで訴追されており、逮捕に結びつく情報に対して米国は500万ドル(約5億1200万円)を提示していた。

 グスマン容疑者の逮捕は、メキシコ最大の麻薬密売組織「シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)」に対する大きな打撃となる。太平洋沿岸に広がるこの組織は、米国や欧州、アジアへ麻薬を密輸している。

 米治安当局者によると、メキシコ軍は、米麻薬取締局(US Drug Enforcement AdministrationDEA)や米国土安全保障省からの情報を基に行動していた。5週間にわたり積極的に追跡していたところ、グスマン容疑者はマサトランに逃亡。逮捕されるまでの数日間、数人の手下とともにそこに潜伏していた。(c)AFP/Laurent THOMET