【2月21日 AFP】反政府デモが続いているタイで、コメ買い取り制度の下での農家への代金支払いが滞っていることに不満を募らせているコメ農家らが21日、首都バンコク(Bangkok)の主要空港で実施を予定していた抗議行動を間際になって中止した。

 同国政府は、市場価格よりも高値での買い取りを農家に保証しているコメ買い取り制度を設けているが、これが政治上大きな重荷となっているのが現状。農家らは、政府が約束していた代金の未払いが続けば、バンコク(スワンナプーム)国際空港(Suvarnabhumi International Airport)へトラクターで結集してデモを行う計画を発表していた。

 しかし農家らが首都の北郊まで迫った頃、インラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)政権との合意がまとまったとみられ、一行は撤退に応じた。地元メディアによると、政府が来週には代金を支払うと約束したという。

 バンコクでは2008年にも、同じくデモによって複数の主要空港がまひし、旅行者数千人が足止めされる事態に陥った苦い経験がある。

 インラック氏が2011年の選挙で勝利を収めたのは、コメ買い取り制度を背景に農業従事者の多い北部や北東部から支持を得られたことが一助となった。しかし昨年末、資金繰りに困った政府は約束していたコメの買い取りを実施できず、支払いを求める農家らの怒りを買った。インラック政権の主要政策だったこの制度が、今では同政権の足かせとなっている。(c)AFP