ネパール女性の1割に子宮脱、背景に女性差別 人権団体
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【2月21日 AFP】ネパール農村部の貧困地域に住む若い女性の間で、通常は閉経後にしか起きないはずの子宮異常が高い割合で発生しているという報告書を、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)が20日、発表した。
同団体は、国連(UN)とネパール政府のデータを引用し、同国に1360万人いる女性のうちの最大10%が子宮が膣口から外に出てしまう「子宮脱」になると指摘。地域によってはこれよりもはるかに高い割合だったという。子宮脱には慢性的な痛みが伴い、仕事や歩行、さらには座ることにも支障が出る。
この背景には「深く根付いた差別」があり、多くの女性が出産後わずか数日で畑作業に復帰させられることが原因の一つだという。アジアで最も貧しい国の一つであるネパールは、国土の大部分が農村部で、女性たちは通常、10代で結婚・出産し、同時に農作業に従事することも求められる。
同団体ジェンダー・セクシュアリティー・アイデンティティー・プログラムのディレクター、マドゥ・マルホトラ(Madhu Malhotra)氏はカトマンズ(Kathmandu)でAFPに対し、子宮脱のリスク要因には「女性の栄養不足の他、若年での結婚・妊娠といった文化的慣習、産後の休養不足、医療の受けにくさ」があると指摘した上で、政府はこれまで十分な対策を講じてこなかったと批判した。(c)AFP