太平洋漂流の男性 退院後も海に対して恐怖心
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【2月19日 AFP】太平洋を小さな漁船で13か月間漂流し、島しょ国マーシャル諸島にたどり着いたとされるホセ・サルバドール・アルバレンガ(Jose Salvador Alvarenga)さん(37)が18日、治療を受けていたエルサルバドルの病院から退院した。病院には1週間入院していたが、今後の予定については明らかにされていない。
首都サンサルバドル(San Salvador)近郊の病院を退院したアルバレンガさんは、同国保健相と看護師に両脇を抱えてもらいながら、「調子はいいです。どうもありがとう」と集まった記者団に述べた。
アルバレンガさんは先週の帰国当初、退院後には家族の住む大平洋に面したアワチャパン(Ahuachapan)県ガリタ・パルメラ(Garita Palmera)の村に戻るとみられていた。
しかし治療を担当した医師によると、アルバレンガさんは海への恐怖心を抱いているとされ、本人も記者団に対し「ガリタ・パルメラには戻りたくない」と語っている。
退院前、海に対する強い恐怖心があるとして、医師らは家族らにもアルバレンガさんを海に近づけないよう協力を求めるとしていた。アルバレンガさんの海に対する恐怖心については、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の可能性があると指摘されていた。
担当の医師らは、「家族に対してもアルバレンガさんを海に近づけないよう求める予定だ。視覚的に避けるだけでなく、音やにおいだけでも、体験したつらい記憶を呼び戻すフラッシュバックが起きる可能性がある」と退院前に記者団に対して述べていた。(c)AFP