【2月19日 AFP】米国の裁判所は18日、米国で最も厳重に警備された核関連施設の1つに侵入した高齢の修道女に2年11月の禁固刑を言い渡した。地元メディアが報じた。

 シスター・メーガン・ライス(Megan Rice)被告(84)は2012年7月、平和団体「トランスフォーム・ナウ・プラウシェア(Transform Now Plowshares)」のメンバー2人とともに、米テネシー(Tennessee)州にあるY-12国家安全保障複合施設(Y-12 National Security Complex)の柵を破り、複数層の警備をかいくぐり、施設内に侵入した。

 3人は警備員に拘束されるまで2時間、施設内に滞在、横断幕を設置して「戦争ではなく平和のために活動せよ」などのメッセージをカラースプレーで書き、核爆弾を製造するのに使われる高濃縮ウランの保管と処理を行っている同施設の建物に人の血をまき散らした。

 ライス被告らは昨年、有罪評決が言い渡されて以降、刑務所に収容されている。

■「余生を刑務所で過ごすのが最大の名誉だ」

 地元紙によると、出廷したライス被告は、量刑で最高刑を言い渡すよう判事に要求し、「私には情状酌量しないことを願う。私が余生を刑務所で過ごすことが、あなたが私に与えられる最大の名誉だ」と語ったという。

 連邦裁判所判事のアムル・タパル(Amul Thapar)氏は、ライス被告の過去の善行と、政治的目的を達成するために法律を破ろうとする行為を抑止しなければならないこととの間で、適切な量刑を見つけ出すのは困難だったと語った。

 その上で、政治目的達成のために法律違反することは正しいことではないと述べ、重い量刑を言い渡すことで同じような行動をする人々を抑止することができるだろうと語った。

 64歳と58歳の残る2被告は、犯罪歴があることから、ともに禁錮5年2月が言い渡された。(c)AFP