【2月19日 AFP】(一部更新、写真追加)大規模な反政権デモが3か月にわたって続いているウクライナで18日、デモ隊と警官隊が激しく衝突し、警察はその後、首都キエフ(Kiev)の独立広場(Independence Square)にある最大のデモキャンプの排除を開始した。19日までにデモ隊と警官隊の双方を合わせて少なくとも16人が死亡した。

 デモキャンプの強制排除に先立ち、警察は平穏を取り戻すよう最後通告を出していた。これを受けて野党指導者のビタリ・クリチコ(Vitali Klitschko)氏は、女性と子どもに対し同広場から退去するよう勧告した。しかし警察の通告の期限だった同日午後6時(日本時間19日午前1時)を過ぎても、同広場には約2万5000人のデモ参加者がとどまっていた。

 警察はメガホンで「対テロ作戦」の開始を宣言すると、デモ参加者に対し催涙ガスやスタングレネード(殺傷力のない手投げ弾)を使用、その後ろからカラシニコフ銃で武装した警察の第2陣が、ゆっくりとキャンプに侵入した。ヘルメットをかぶったデモ参加者は石や花火、火炎瓶を投げて応戦した。

 キエフ中心部に爆発音が響き、独立広場は戦場の様相を呈した。冷たい夜の空気の中、燃えるタイヤから煙が上がり、レーザー光線や旗、幾張りかの燃えるテントが発する光が、怒りをあらわにした群集の上で揺らめいた。

 当局が地下鉄を運休にして市内に入る車の流れも制限したため、キエフは事実上封鎖された状態になっている。

 警察は警察官7人が銃で撃たれて死亡したと発表した。当局と医療筋は、18日朝以降の民間人の死者は9人に上ったとしている。さらに別に2人の遺体も見つかっているが外傷がなく、衝突による死者かどうかは確認されていない。警察官数十人を含む150人以上が負傷し、重傷者もいる。