夢かなえた五輪代表バイオリニスト、最下位でも満面の笑み
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【2月19日 AFP】18日に行われたソチ冬季五輪の女子大回転で、もっとも遅いタイムでフィニッシュしたタイ代表で一流バイオリニストのヴァネッサ・メイ(Vanessa Mae)──しかし、コースを台無しにした雨とは対照的に、その表情は晴れやかで、喜びに満ちていた。
タイ史上初の女子スキー選手、ヴァネッサ・ワナコーン(Vanessa Vanakorn)となった彼女は、タイ人を父親に持つシンガポール生まれの英国人だ。元「神童」の彼女の順位は、2回の滑走を終えた時点で67位。トップのティナ・マゼ(Tina Maze、スロベニア)とのタイム差は50.10秒で、ひとつ上の66位の選手とも11.35秒の差がついた。
それでも、彼女は2回ともゴールを果たした。22人が脱落したことを考えれば上出来だ。
トップ選手らが100分の1秒レベルでメダルを争うなか、35歳のヴァネッサはこの結果に満足していると話す。
「最下位になることは想定していた。それでもやっぱり五輪は素晴らしい機会。途中、3回ほどクラッシュしそうになったけど、ちゃんとゴールできた。それが重要だったし、ここにいるだけでも本当に最高。コースアウトするのが心配だったけど、どうにかやり遂げることができた」
「いつも直前になってからやるタイプなの。五輪のトレーニングを6か月前からやるのもそうだし。ここに来た主な目的は、素晴らしい経験をして、短期間で自分のスキー技術を向上させるため」