【2月18日 AFP】タイの国家反汚職委員会(National Anti-Corruption CommitteeNACC)は18日、コメ買い取り制度の下での農家への代金支払いが滞っているとして、インラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)首相を職務怠慢で起訴する方針を発表した。

 NACCの声明は、インラック政権の主要政策であるコメ買い取り制度が不正を助長し、経済的損失を引き起こしているという警告を、首相が無視してきたと指摘している。首相は起訴状が読み上げられる27日に召喚される見込み。

 市場価格よりも高値での買い取りを農家に保証しているコメ買い取り制度は、タイで3か月以上にわたって続いている反政府デモの怒りの矢面に立っている。反政府側はコメ買い取り制度によって汚職が助長され、財源が枯渇し、国内に大量の在庫米が残っている状況だと非難している。NACCの発表が報じられた数時間前には、首都バンコク(Bangkok)で機動隊と反政府デモが激しく衝突し、警官を含む少なくとも2人が死亡、数十人が負傷した。

 インラック氏に対抗する人々は、現首相は実兄のタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相の操り人形でしかないと批判している。富豪から政治家に転じたタクシン氏は、06年に軍事クーデターで追放され、さらに汚職で有罪判決を受け、投獄を逃れるために国外逃亡中だ。批判派はタクシン一族が、大衆迎合的な政策を通じて地方部の有権者の支持を買収するために、税金を用いていると非難している。(c)AFP