恐怖が支配する北朝鮮、国連報告書
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【2月18日 AFP】生を受けた時から洗脳され、常に監視されながら全てを支配する国家におびえる。ひとたび規範から逸脱すれば収容所に送られ、二度と一般社会に戻ることはない──北朝鮮による非人道的な人権侵害の実態が17日、国連(UN)の北朝鮮の人権状況を調査する特別委員会が発表した約400ページの報告書によって明らかにされた。
報告書は北朝鮮政府が「人間のくず」と呼ぶ脱北者、約320人の聞き取り調査などを基にしている。北朝鮮に残った親族が処罰されることや、逃げた先の国で自身が北朝鮮関係者に拉致されることを恐れて、証言をためらった人も多かったという。
中でも最も衝撃的なのは、「管理所」と呼ばれる北朝鮮の政治犯収容所からの脱出に成功した人たちによる証言だ。
特別委員会のマイケル・カービー(Michael Kirby)委員長は、政治犯収容所での労役の1つは餓死した収容者たちの遺体を集め、容器に入れて焼却することだったという元収容者の証言を明らかにした。その後は仲間の収容者が遺灰や焼け残った遺体の一部を集め、近くの畑にまく肥料にしたという。
74歳のカービー委員長は「私の年代の人たちならば、第2次世界大戦末期に起きた出来事を想起せずにはいられないだろう」と述べ、ナチス・ドイツ(Nazi)によるユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)との類似性を示唆した。