【2月17日 AFP】元フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)ドライバーのミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏の昨年末のスキー事故について調査しているフランスの当局は17日、事故の原因はスキー場の安全基準違反やスキー装備の欠陥によるものではないとの見解を発表した。

 調査を担当するパトリック・クインシー(Patrick Quincy)検事は「誰かによる違反はなかった。事故はゲレンデ外(オフピステ)で起きた」と述べ、仏アルプスの高級スキーリゾート、メリベル(Meribel)の標識その他の表示は「現行のフランスの法律に適合していた」と付け加えた。

 シューマッハ氏は昨年12月29日の事故で、ヘルメットが衝撃で割れるほど頭部を強打して以来、仏グルノーブル大学病院(Centre Hospital du Grenoble)で集中治療を受けている。出血と挫傷を抑える手術を受けた後は人工的な昏睡状態に置かれ、さらなる損傷のリスクを抑えるために体温は低く保たれている。

 先月30日にはシューマッハ氏の広報担当者が、昏睡状態を保っている鎮静剤の量が減らされ、覚醒させる治療が始まっていると発表した。また前週13日にはシューマッハ氏の家族が「依然、覚醒させる過程」にあり、意識が戻るまでには長い時間がかかるかもしれないと述べている。(c)AFP