【2月16日 AFP】シリア内戦の終結を目指し、スイス・ジュネーブ(Geneva)で開かれていた和平会議の「第2ラウンド」が15日、成果のないまま終了した。仲介役を務める国連(UN)・アラブ連盟(Arab League)の合同特別代表、ラクダール・ブラヒミ(Lakhdar Brahimi)氏は会議後の記者会見で、内戦終結への見通しが立たないことについて、「極めて残念に思う」と述べた。

 3年近くに及ぶ内戦の政治的解決を目指し、政権側と反体制派がようやく同じテーブルについてからわずか数週後、双方は激しく対立したまま協議を終了した。双方が合意した唯一の点は、「交渉は行き詰まっている」ということだ。

 ウィリアム・ヘイグ(William Hague)英外相は交渉の中断を受け、「和平を目指す上での深刻な後退だ」と非難している。

 協議の中断を発表したブラヒミ氏は、「(政権側と反体制派は)共に、この協議の継続を望むのか否か改めて真剣に考え、責任を持って取り組むべきだろう」と発言。双方は交渉の継続に合意していると述べたものの、次回の日程については言及しなかった。

 ブラヒミ氏は今後の議題について第一に「暴力とテロの停止」を挙げ、次いで「暫定統治機関の設置」など合わせて4つの項目を提案したが、議題の優先順位について、双方が合意できなかったという。

 反体制側はバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領を排除した上での暫定政権の樹立を訴えており、これを最優先の議題にすることを主張したものの、政権側は大統領の地位について「交渉の余地はない」とはねつけた。

■シリア国内の死者は増加の一途

 和平に向けた交渉の先行きが不透明になる中、シリア国内での死者数は増加を続けている。これまでに死亡した人は14万人を超え、家を追われた人は数百万人に上っている。

 ある監視団体によると、先月22日に和平会議が開始されて以降の死者数は、5000人を上回ったという。(c)AFP/Jonathan FOWLER, Nina LARSON