【2月14日 AFP】古代遺跡で有名なエジプト南部ルクソール(Luxor)で、3600年前のミイラが納められた木棺がスペインの考古学チームによって発掘された。エジプト考古省が13日、発表した。長さ2メートル、幅50センチの木棺は保存状態が良く、鮮やかな色彩を保っているという。

 見つかった木棺には羽の模様が描かれていたが、ムハンマド・イブラヒム(Mohamed Ibrahim)考古相によると、古代エジプトの棺(ひつぎ)に羽が描かれていることはまれ。

 考古省古代ファラオ部門の責任者によれば、この木棺は第17王朝(紀元前1600年ごろ)のものだという。木棺の初期調査の結果と碑文の内容から、納められたミイラはこの時代の高官だった人物とみられる。

 木棺にはファラオ信仰に基づき、死後の世界における旅を安楽にする意味をもつ碑文が書かれている。

 羽の模様は、古代エジプトの法を司る女神マート(Maat)を象徴している。マートは、天秤の片方に羽を置き、もう片方に死者の心臓を置いて量り、死後の世界における運命を決めるとされていた。

 木棺は、ルクソール西岸にある古代エジプト第18王朝のハトシェプスト(Hatshepsut)女王(在位紀元前1502~1482年ごろ)の倉庫管理責任者の墓地のそばから発掘された。(c)AFP