【2月14日 AFP】ベルギー下院は13日、同国で12年前に合法化されていた安楽死の適用年齢制限を廃止し、末期症状の子どもにも死を選ぶ権利を認める法案を可決した。

 子どもの安楽死をめぐっては、同国で多くの教徒を持つカトリック教会や一部の小児科医らが反対してきたが、昨年12月には上院が圧倒的賛成多数で同法案を可決。数か月にわたる激論を経て、13日の下院本会議では賛成86、反対44、棄権12で同法案は可決された。これによって同国は、隣国オランダに次いで子どもにも安楽死を容認する2つ目の国となった。

 だがオランダでは12歳未満の安楽死は禁じられており、年齢制限を完全になくしたのはベルギーが初めて。治療不可能な病気を抱えた子どもが「意識」と「判断能力」を有する場合、自らの苦しみを終わらせる決断を下すことができるようになる。ただし医師に加え、精神科医または心理学者とのカウンセリングと、親の同意が必須条件となる。

 子どもの安楽死の是非をめぐっては国民の間にも議論が広がっており、あらゆる宗教の指導者らが、死の「矮小(わいしょう)化」を招く恐れがあると指摘している。カトリック教会はここ数日間、子どもの安楽死合法化に反対する「断食と祈りの日」の抗議活動を続けている。また今週には160人ほどの小児科医らが議員らに対し、子どもの安楽死容認は準備不十分かつ不必要だとして、法案採決の延期を求める請願を提出していた。(c)AFP/Claire ROSEMBERG