【2月12日 AFP】2億5000万年以上前に地球上のほぼすべての生物が死滅した「ペルム紀末の大量絶滅」の進行速度は、これまで考えられていたよりもはるかに速かったとの研究論文が10日、米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)に発表された。

 米マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of TechnologyMIT)などの研究チームが発表した論文によると、ペルム紀末大絶滅が発生した期間は6万年(誤差の範囲はプラスマイナス4万8000年)だという。これは地質学的にみるとほんの一瞬の出来事だ。

 この大量絶滅では、地球上の生物の96%が死滅した。大量絶滅の原因に関しては諸説が存在するが、中でも最も有力なのは、大規模な火山噴火が連続して発生して大量の二酸化炭素(CO2)が大気中に放出された結果、海の酸性化が進み、強烈な地球温暖化が引き起こされたとする説だ。

 最新の研究は、中国・眉山(Meishan)の地層にあるジルコン結晶を分析した結果に基づいている。

 研究チームは、同地域で見つかっている化石をきっかけに、ジルコン結晶がペルム紀の終わりと三畳紀の始まりの期間の秘密を握っていると考えるに至った。三畳紀は、恐竜や哺乳類が出現し始めた時代だ。