【2月12日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は11日、米国の関心を勝ち取ろうと火花を散らすフランスと英国を、自身の2人のまな娘マリア(Malia Obama)さんとサーシャ(Sasha Obama)さんになぞらえ、どちらか一方を選ぶことは不可能だと語った。

 オバマ氏は、米国を公式訪問中のフランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領と臨んだ合同記者会見で、ある仏人記者から、米国の最も古い同盟国であるフランスは、もはや最良の友人ではなくなったのか、という質問を受けた。返答によっては英仏の機嫌を損ねかねない地雷となったこの問いに対し、オバマ氏は巧みな切り返しを披露。

「私には娘が2人いる。どちらも美しく素晴らしい娘であり、どちらか1人を選ぶなど考えられない」「欧州の優れたパートナー諸国についてもまさしく同じように感じている。どの国もそれぞれに素晴らしい面がある」と述べた。

 フランスが革命時代にあった200年以上前から続いている米仏の同盟関係には、約10年前のイラク戦争によって大きなひびが入っていた。オバマ氏は10・11の両日、米仏関係の回復を繰り返したたえた。

 一方で同氏は、英国との「特別な関係」に十分な敬意を払わなければ政治危機を招くということも、過去に学んでいる。大統領就任1期目に、故ウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)英首相の胸像を大統領執務室(Oval Office)から撤去し、政敵からひどく叩かれた経験があるからだ。

 オバマ氏は今年6月には、第2次世界大戦(World War II)の仏ノルマンディー(Normandy)上陸作戦決行日「Dデー(D-Day)」から70年を記念し同地を訪問し、英仏両国と肩を並べる機会を得ることになる。

 同地でオバマ氏はオランド仏大統領に加え、エリザベス英女王(Queen Elizabeth II)とも顔を合わせることになるが、かつての大英帝国が米大統領の子に例えられたことについて、女王がどう思うかは分からない。(c)AFP