【2月12日 AFP】ロシアのコンピューター・セキュリティー大手カスペルスキー・ラボ(Kaspersky Lab)は10日、31か国の政府や企業を攻撃してきたマルウエア(悪意のあるソフトウエア)を発見したことを明らかにした。サイバースパイを目的に、いずれかの国の政府が関与した恐れもあるという。

 同社が公表した白書によると、「The Mask(ザ・マスク)」または「Careto(カレート)」として知られるマルウエアは、遅くとも2007年から、同社の調査の中で攻撃指令サーバーが停止した先月まで使用されていた。他に類を見ない複雑なソフトウエアで、米アップル(Apple)や米グーグル(Google)の基本ソフトを搭載した携帯電話やタブレット端末に感染するバージョンも確認されている。

 主なターゲットは各国の政府や在外公館、エネルギー企業、研究機関、投資会社、政治活動家だったとみられており、「感染すれば壊滅的な被害を受ける。すべての通信チャンネルが傍受され、最も重要な情報が盗まれる」という。

 白書によるとこのマルウエアを見つけるのは非常に困難で、感染したコンピューターからはネットワークのトラフィックやキーストローク、インターネット電話サービスのスカイプ(Skype)上の会話などが傍受され、ネットワーク経由で接続されている他のデバイスからも情報が盗み出されるという。