【2月11日 AFP】豪シドニー（Sydney）の裁判所は11日、市内の高層マンションのバルコニーからカナダ人の恋人女性を投げ落として殺害した罪で有罪になっていたオーストラリア人の男に禁錮26年の量刑を言い渡した。

 2011年7月に、婚約者で元バレリーナのリサ・ハーナム（Lisa Harnum）さん（当時30）が自分から別れようとしていることを知って逆上したサイモン・ギタニー（Simon Gittany）被告（40）が、2人が住んでいたマンションの15階の部屋からハーナムさんを投げ落として殺害したとされるこの事件は全豪の注目を集めた。

 ギタニー被告は、ハーナムさんが自殺しようとして自らバルコニーの柵を乗り越え、足をすべらせて転落したものだとして、一貫して無罪を主張したが、昨年11月に有罪が確定していた。ルーシー・マッカラム（Lucy McCallum）判事は11日、反省の念が見られず更生の見込みもないとしてギタニー被告に最大で禁錮26年（仮釈放なし期間18年）の量刑を言い渡した。

 裁判の中で、被告はマンションの室内に複数の監視カメラを設置し、コンピューターのプログラムを用いてハーナムさんの携帯電話のテキストメッセージやパソコンの電子メールを監視していたことが明らかにされた。

 監視カメラの映像には、事件当日の夜、助けを求めて叫ぶハーナムさんを強引に家の中へ連れ戻すギタニー被告の姿が捉えられていたという。被告弁護人によると、被告は控訴する意向だ。

 公判中、常にギタニー被告に付き添い熱心に無実を訴えてきた現在の恋人レイチェル・ルイーズ（Rachelle Louise）さんは、11日は法廷に姿を見せなかった。報道によるとルイーズさんは、この事件について自身の見解を語りその見返りに高額の金を受け取るという内容の契約を、豪民間テレビ、チャンネル7（Channel Seven）との間で結んだという。(c)AFP