【2月11日 AFP】エジプトの国務省は6日、改革者として知られる古代エジプトのアクエンアテン(Akhenaton)王が父親と権力を共有していたことを裏付ける決定的な証拠を発見したと発表した。

 研究者たちは長年、古代エジプトの宗教改革を行おうとしたアクエンアテンが、病を患っていた父親アメンホテプ3世(Amenhotep III)に代わり政を行っていたかについて論争してきた。

 証拠は南部ルクソール(Luxor)にある王の家臣の墓で発見された。カルトゥーシュ(王記)に2人の王の名が共に刻まれていたのだという。家臣の墓が使えた王の名で装飾されるのは、当時の伝統であった。

 エジプトとスペインの共同研究チームが発見したこの王記は、アメンホテプ3世の即位30年を祝った頃のものとみられる。アメンホテプ3世が亡くなりアクエンアテン王が即位する8年前、紀元前1300年頃だ。

「アメンホテプ3世と4世(アクエンアテン)の間に摂政時代があったことの証拠だ」と、エジプト国務省(文化財担当)のモハメド・イブラヒム(Mohamed Ibrahim)相は声明を発表した。

 アクエンアテン王は、アテンを唯一の神とする一神教を唱えたことで知られ、後に若きツタンカーメン(Tutankhamun)王の父親となったとされる。(c)AFP