東京都知事選、舛添要一氏が当選確実
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【2月9日 AFP】9日投開票の東京都知事選で、元厚生労働相の舛添要一(Yoichi Masuzoe)氏(65)の当選が確実になったと、NHKなど報道各社が報じた。
今回の選挙は猪瀬直樹(Naoki Inose)前東京都知事が医療法人徳洲会グループから「個人的な借金」として5000万円を受け取っていたことを認めて昨年12月に辞職したことを受けて行われたもので、16人が立候補していた。
前日には都心で45年ぶりとなる27センチの積雪を記録する大雪が降っていたが、投票は特に大きな問題もなく行われた。しかし投票率は午後5時現在で約28%と、前回の都知事選の同時刻の約40%を大幅に下回った。
2011年の東日本大震災後、国民の間で原子力発電に対する懐疑的な見方が強まっている中、舛添氏は原発の再稼働が必要だという政府に近い立場を取っているが、報道機関の調査では他の候補者を抑えて大きくリードしていた。
報道機関の調査で舛添氏を追っていたとされた元首相の細川護熙(Morihiro Hosokawa)氏(76)、日本弁護士連合会の元会長の宇都宮健児(Kenji Utsunomiya)氏(67)はいずれも反原発の姿勢を打ち出した。高い人気を誇る小泉純一郎(Junichiro Koizumi)元首相の支持を受けた細川氏が勝利していれば、原発再稼働を目指している政府との間にあつれきを引き起こすことになっていただろう。
かなりの数の日本人が原発に反対しているものの、この問題は2012年12月の衆院選では大きな争点にならず、原発活用を続ける姿勢を示した自民党(Liberal Democratic Party、LDP)の安倍晋三(Shinzo Abe)総裁が首相の座に就いた。
新知事は日本で最も人口が多く、経済的にも豊かな自治体を率いることになる。東京都は約16万5000人の職員を擁し、その年間予算はスウェーデンの国家予算に匹敵する約13兆円に上る。
新知事は現在進行中の各種大規模建設プロジェクトや老朽化したインフラの維持・更新に加え、2020年東京夏季五輪の準備に多くの時間を費やすことになるとみられる。(c)AFP/Miwa SUZUKI