【2月4日 AFP】五輪の競泳で通算5個の金メダルを獲得したイアン・ソープ(Ian Thorpe)氏のマネジャーは4日、ソープ氏が強度のうつ状態で治療中で、オーストラリア・シドニー(Sydney)の通りを「放心状態」で徘徊(はいかい)していた原因は痛み止めと抗うつ剤の影響によるものだと明かした。

 しかしながら、マネジャーのジェームズ・アースキン(James Erskine)氏は、アルコールの影響については否定した。

 31歳のソープ氏は3日早朝、友人のものと勘違いして両親の自宅近くに駐車していた車に乗り込もうとしていたところを警察に保護され、病院に移送された。

 ソープ氏が病院に運ばれるのは、先週、転倒して負傷した肩の手術のために続いて2度目。1度目は、同氏がうつ病とアルコール依存症で治療中であるという報道を、関係者が否定していた。

 アースキン氏がオーストラリア放送協会(Australian Broadcasting Corporation、ABC)に語ったところによると、ソープ氏は現在、長年悩まされてきたうつ病の治療を受けているという。

「彼は、肩の痛み止めと抗うつ剤を処方されている。その混合服用が、放心状態で早朝3時に徘徊していた原因であることは明らかだ」

 ソープ氏が友人のものと勘違いして車に乗り込もうとしていたところを発見し、警察に通用したのは近所の住人だった。

 アースキン氏は、「失見当識になった彼は車に乗ろうとしていたが、それは、まったく友人のものではなかった」と語り、「駆けつけた警察は賢明な対処をした。彼らはイアン・ソープだと分かると救急車を呼んだ」と続けた。

 2012年に出版された自伝の中で、うつ病とアルコール依存症と闘っていたことを明らかにしたソープ氏だが、今回の出来事についてアースキン氏は、アルコールは無関係であると述べた。

「アルコールは無関係だ。彼はそういった類のものは、もう飲んでいない」

「病院は、彼がうつ病の治療を受けることを強く提案した。今、起きていることはそれだけだ」

(c)AFP