タイ総選挙、反政府派が投票妨害 約1万か所で投票できず
このニュースをシェア
【2月3日 AFP】反政府派と政府支持派の対立が続いているタイで2日、総選挙が行われたが、反政府派は数千か所の投票所で投票を妨害し、首都バンコク(Bangkok)では投票できなかった有権者が投票所前で騒ぐ場面もあった。
選挙管理委員会によると、約9万4000か所の投票所のうち約1万か所が開場できず、数百万人の有権者が影響を受けた。
反政府派のデモが始まって以来、反政府派と政府支持派間の衝突、手りゅう弾攻撃、走行する車からの発砲などで双方に少なくとも10人の死者と数百人の負傷者が出ている。バンコクは投票日前日に反政府派と政府支持派の間で少なくとも7人が負傷する銃撃戦があり緊張が高まっていたが、投票日の投票時間終了までに重大な暴力事件が起きたという情報はない。
インラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)首相の退陣を求める大規模なデモが続いているものの、10年ほど続いてきたインラック首相一族の選挙での勝利がここで途切れることはないとみられている。
しかし、投票の混乱で今後少なくとも数週間は結果が出ない事態となり、投票ができなかった選挙区で新たな選挙が行われるまでは、議会を招集して新政権を樹立するのに十分な議員がいないことになる。
シナワット首相はこの選挙で勝利したとしても、議会の定足数を満たすに十分な選挙区で投票が行われるまでは暫定的な地位となり、その権限に制約を受ける。
投票をボイコットした主要野党の民主党(Democrat Party)は、選挙の無効を求める根拠を集めるため、今回の選挙に法律上の問題点がなかったか調べていると明らかにした。
タイに拠点に置く著述家で学者のデビッド・ストレックファス(David Streckfuss)氏は、「最もあり得るシナリオは、民主党が何らかの理由でどうにか選挙を無効にすることに成功する、ということだ」と述べている。(c)AFP/Apilaporn VECHAKIJ