怒らせると報復する中国の「いじめ外交」は逆効果?
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【2月1日 AFP】港の倉庫に放置されて腐った山積み状態のノルウェー産サーモン。突然、建設中止になった太平洋の島国パラオのビーチリゾート施設。猛烈な台風が直撃したフィリピンへの鈍い反応。どれも、中国の「レッドライン(越えてはならない一線)」を越えてしまった国が経済的な打撃を受ける可能性があることを示す例だ。
世界最大の貿易国で、アフリカにとって最大の貿易相手国でもある中国。世界2位の経済大国にふさわしい「責任ある大国」として、政治、外交面での地位向上を目指すが、中小国に対する戦術が裏目に出る恐れがあると専門家は指摘する。
現在服役中の中国の民主活動家、劉暁波(Liu Xiaobo)氏がノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞した2010年以降、中国政府は、ノルウェー政府がノルウェー・ノーベル委員会(Norwegian Nobel Committee)」による選考に関与していないにもかかわらず、ノルウェーへの制裁を試みている。
中国はノルウェー産サーモンに輸入規制を導入。中国の港の倉庫には腐ったサーモンが山積みにされた。13年の中国市場におけるノルウェー産サーモンのシェアはそれまでの92%から29%へと大きく落ち込んだ。
このほか、「2009ユーロビジョン・ソング・コンテスト(2009 Eurovision Song Contest)」にノルウェー代表として出場して優勝した歌手アレクサンダー・ルイバク(Alexander Rybak)さんの中国ツアーがキャンセルされたり、ビザ(査証)がなくても中国の一部都市に72時間滞在できる制度の対象国にノルウェーが含まれなかったりしたこともあった。