【1月31日 AFP】コカイン吸引など数々の問題行動が話題になっているカナダ・トロント(Toronto)のロブ・フォード(Rob Ford)市長は30日、同市の警察によって暴行容疑で訴追された人気アイドル歌手ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)容疑者を擁護した。

 フォード市長は米ラジオとのインタビューで「彼はまだ若い。ほんの19歳だ。私も彼ほどの成功をおさめられればよかったのに」と述べたうえで、10代だった頃の自分を思い返してみてほしい、と聴取者らに訴えた。

 ビーバー容疑者は、昨年12月30日未明にトロント市でリムジンの運転手の後頭部を数回にわたり殴打した疑いで、29日に逮捕・訴追された。23日に米フロリダ(Florida)州で飲酒運転などの容疑をかけられたのに引き続き、1週間で2度目の逮捕となった。

 フォード市長はそんなビーバー容疑者を擁護した一方、自身はファンというわけではなく、音楽ではレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)やイーグルス(Eagles)、ローリング・ストーンズ(Rolling Stones)の方が好みだと付け加えている。

 過去のコカイン使用を認めた他、セクハラや泥酔、暴言など数々の問題行動が取りざたされているフォード市長。29日にはさらに、自身の薬物使用などについて口封じをするため、姉の事実婚パートナーだった男性に暴行を加えるよう命じたとして、この男性から訴えを起こされていることが、メディア報道により明らかになっている。

 地元紙トロントスター(Toronto Star)によると、原告のスコット・マッキンタイア(Scott MacIntyre)氏は、刑事施設に収監されていた2012年3月、薬物使用や犯罪者との繋がりを口外することを恐れたフォード市長の指示によって、他の収容者から暴行を受けた、と主張している。マッキンタイア氏は、暴行により脚や歯を折る大けがをしたという。

 同氏は、フォード市長の姉に送った手紙の内容を「フォード市長の薬物・アルコール乱用と、犯罪者らとの関係を暴露する」という脅迫であると市長が誤解し、暴行を命じたと主張している。(c)AFP