【1月31日 AFP】米政府は30日、6月30日までに全て破棄されることになっているシリアの化学兵器の国外搬出作業が計画通りに進んでおらず、特に、危険性が高い物質の搬出作業が予定より1か月も遅れていることに懸念を示し、シリア政府の対応の遅れを非難した。

 化学兵器禁止機関(Organisation for the Prohibition of Chemical WeaponsOPCW)はこれに先立つ29日、シリア政府は危険性が高い化学物質の5%未満しか引き渡していないと発表していた。

 OPCWおよび国連(UN)の監督と各国の協力の下で進められている搬出作業で、危険性の高い「カテゴリー1」に分類されている化学物質が今月シリアのラタキア(Latakia)港から搬出されたのはわずか2回にとどまり、1回の搬出量はそれぞれ約16トンだった。

 シリア政府はこれまで、危険性が極めて高い化学兵器約700トン、危険性が比較的低い前駆物質500トンの保有を申告している。前駆物質は、他の物質と混ぜ合わせることによって初めて毒性を持つようになる物質。

 計画では、シリアの化学兵器と前駆物質は、シリア国内で破壊されるイソプロパノールを除くほぼ全量が2月5日までに国外に搬出されることになっている。(c)AFP