【1月30日 AFP】反政権デモが続いているウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)大統領は30日、急きょ病気休暇を取得した。議会では、逮捕された反政権デモの参加者に恩赦を与える法案が野党棄権の中、可決されたばかりだが、同大統領は政治危機を打開できないまま一時休養することになる。

 大統領府が出した声明によると、ヤヌコビッチ大統領は急性の呼吸器感染症で体調を崩しているという。反政権デモ隊が抗議活動を継続する姿勢を新たにし、同大統領はデモの鎮静化のため首相の辞任承認を余儀なくされるなど、1991年にソ連から独立して以来同国最大の政治危機を迎える中での突然の病気休暇の発表となった。

 首都キエフ(Kiev)の独立広場(Independence Square)や主要な通り、さらに中心部の地方行政府庁舎は現在も数千人のデモ隊に占拠されており、危機的状況の先行きは不透明なままとなっている。

 ここ数日キエフの気温は零下20度まで下がり、多くの市民が体調不良を訴えている。(c)AFP/Stuart WILLIAMS