【1月30日 AFP】国連(UN)とアラブ連盟(Arab League)合同のシリア特別代表を務めるラクダール・ブラヒミ(Lakhdar Brahimi)氏は29日、スイス・ジュネーブ(Geneva)で開催中のシリア和平会議で5日目を迎えた直接協議について、政権側と反体制派側の間の緊張関係は徐々に緩和していると述べた。だが一方で、31日まで続く協議では大きな成果を期待していないとも表明している。

 一方、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領政権と反体制派の統一組織「シリア国民連合(Syrian National CoalitionSNC)」の両代表団は、この日の協議結果を「前向き」にとらえていると述べている。

 協議では、2012年6月の前会議で関係各国が打ち出したものの実施に至らなかった和平ロードマップ「ジュネーブ合意」がついに中心議題になったが、合意内容のどの部分を協議するかについては大きく意見が対立した。

 反体制派代表団のルーエイ・サフィ(Louay Safi)報道官は「今日われわれは初めて、移行政府について協議し、前向きな進展があった」と述べた。

 政権側のブサイナ・シャーバン(Buthaina Shaaban)氏はジュネーブ合意についての協議が29日に始まり、「前向き」だったことを確認したが、それは「テロリズム(との闘い)について話し合ったからだ」と述べた。 また、政権側はジュネーブ合意の全項目についての協議を求めているが、権力掌握を狙う反体制派側は移行政府についてしか関心がないと非難した。

 ブラヒミ氏によると、政権側と反体制派側は、再度の協議のためスイス・ジュネーブに戻る日にちを31日に決定する。同氏は、協議再開は1週間後になると見込んでいるという。(c)AFP/Nina LARSON