【1月28日 AFP】反政権デモが続くウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)大統領は27日、先週施行されたばかりのデモ規制法を廃止することで野党側と合意したと発表した。ただ、当局に拘束されたデモ参加者らの釈放は、街頭バリケードが撤去されるまでは実施しないとも明言した。

 大統領府の声明によると、野党指導者アルセニー・ヤツェニュク(Arseniy Yatsenyuk)氏はまた、25日の交渉で同大統領が提案していた首相の座を、正式に拒否した。

 また、首都キエフ(Kiev)では司法省庁舎が26日夜からデモ隊に占拠され、平和的解決に向けた努力の妨げになる恐れが出ていたが、デモ隊側は大統領の声明発表に先立つ27日、司法省からの退去に同意していた。

 反政権デモは昨年11月、ロシアからの圧力を受けたヤヌコビッチ大統領が、欧州連合(EU)との関係を強化する連合協定の締結を見送ったことをきっかけに始まったが、現在では親ロシアの同大統領の退陣を求める全面闘争の様相を呈している。

 28日には、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領がベルギーのブリュッセル(Brussels)でEU首脳との会談に臨む予定。同会談の主な議題はウクライナ情勢になる見込みだ。(c)AFP/Dario THUBURN, Stuart WILLIAMS, Dmytro GORSHKOV