古代の欧州人は「浅黒い肌に青い瞳」だった、DNA解析で判明
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■現代欧州人では見られない「組み合わせ」
ラルエサフォックス氏の研究チームは、ラブラナ1で青い目と黒い髪の遺伝因子も発見した。
肌の正確な色合いまでは判別できないが、青い目との組み合わせは今日の現代欧州人では見られないものだと研究チームは指摘する。
人類の最古の共通祖先は浅黒い肌をしていたが、アフリカを出て北方の太陽光が少ない寒冷な気候の地域に移動するにつれて肌の色が白くなったという説は広く受け入れられている。
そしてその後の民族移動と混血によって、現代人が持つ様々な肌の色合いが生じた。
ラブラナ1は、ゲノム(全遺伝情報)が完全に解読された最初の欧州の狩猟採集民だ。現代人との比較調査では、スウェーデン人やフィンランド人などの北欧人種と最も高い関連性を持っていることが分かった。
またラブラナ1は、その後の人類が獲得したような、ミルクやでんぷんを容易に消化できるようにする遺伝子変異をまだ獲得していなかったことも、この調査で明らかになった。こうした適応は、新石器時代の農業の誕生と同時期に発生したと思われる。
ラブラナ1のゲノムの特徴が実際にどれほど広範囲に及んでいたかを判定するには、さらに多くの中石器時代人のゲノムを解析する必要があると論文の執筆者らは述べている。(c)AFP/Mariette LE ROUX