【1月27日 AFP】仏領ポリネシアで、国家として承認されていない「共和国」の「王」を自称する男が23日、タヒチの裁判所から通貨偽造の罪で有罪判決を言い渡された。

 アタナーズ・テリ(Athanase Teiri)被告(59)は定年退職した公務員で、自ら「パクモチュ(Pakumotu)共和国」の「タンギュイニ1世(Tanguini I)」と名乗っているという。

 テリ被告は、ポリネシア内での通貨発行とその使用を規定しているフランスの法律に抵触したとみなされ有罪となった。この騒動では「パクモチュ国民」らが店で買い物した際に、被告の娘の1人が印刷したパクモチュ国の貨幣「パチュ」だと主張する紙切れを使って支払いを済ませようとしたことから裁判へと発展した。

 しかし同被告は自らの「報道官」を通して、タヒチ裁判所の司法権は自分には及ばないと主張。「2010年6月2日、王はわが国の独立を宣言した。もはやフランスの支配下にない。他国から裁きを受ける筋合いはない」と述べた。同被告の支持者らは、自国の貨幣発行を断固継続するとしている。

 フランスの海外地域であるポリネシアの当局は、「パクモチュ共和国」とその支持者らに対し徐々にいら立ちを募らせているが、一方で自称「パクモチュ国防衛相」はAFPの取材で、パクモチュ人は「自国領土」内では自由な行動が認められるべきと訴えている。(c)AFP