【1月25日 AFP】ジャム入りのドーナツのような形の奇妙な石が火星に突如、出現した。専門家らは、この石がどのようにしてこの場所に現れたのか調査を進めている。米航空宇宙局(NASA)が23日、明らかにした。

 およそ10年前から火星に展開している無人探査車オポチュニティー(Opportunity)が今月8日に撮影した画像には、昨年12月26日に同じ場所で撮影した時には何もなかった地点に小さな丸い物体が写っている。

 オポチュニティー計画の研究責任者、スティーブ・スクワイヤーズ(Steve Squyres)氏は同探査車が火星に着陸してから10年になるのを記念して行った記者会見で、この石について、「ジャム入りのドーナツのように見える。外側が白く、中央部分が赤い」と語った。

 さらに色については、「火星にある赤色としては珍しい深紅色だ」と説明した。火星で見られる赤は、どちらかといえば「さび」のような色が多い。

 また、「顕微鏡で観察したところ、石であることは明らかだ」と説明したが、地球に住むわれわれが見たことのないような石だという。

 スクワイヤーズ氏によると、ピナクル・アイランド(Pinnacle Island、先のとがった島の意)と名付けたこの石について専門家らは、オポチュニティーが回転して向きを変えた時に、はじき飛ばされて少し先まで転がったのだろうと考えている。

 しかし、石が元々あったと考えられる場所を特定することはできておらず、オポチュニティーの太陽電池に隠れて見えなくなっている可能性もあるという。研究チームは今後、オポチュニティーを移動させて、その場所を確認する計画だ。(c)AFP/Kerry SHERIDAN