【1月26日 AFP】母キツネを交通事故で失った子キツネを保護していたフランス南西部ドルドーニュ(Dordogne)県の家族が、長期にわたる法廷闘争の末、ついにキツネを飼育し続ける許可を獲得した。

 ディディエ・デラネさんは2010年、自動車にひかれて道路脇で死んでいた母キツネの死骸の下に、子キツネが横たわっているのを見つけた。ディディエさんは子キツネを自宅に連れて帰り、デラネ家はキツネをズズ(Zouzou)と名付け、ペットとして飼育し始めた。

 だがフランスでは、当局の特別な許可なく野生動物を飼育することは法律で禁じられている。そして2011年、フランスの狩猟・野生動物当局がズズのことを知り、デラネさん一家に対する法的手続きに着手した。

 ズズの物語はフランスのメディアで話題となり、デラネ一家が300ユーロ(約4万2000円)の罰金とズズの引き渡し命令を受けて以降は、米SNSフェイスブック(Facebook)に支援ページさえ登場した。

 だが、妻のアンポール・デラネさんはAFPの取材に、つい先ほど地元当局から「ズズを死ぬまで飼育して良いと特別な許可を得た」と語った。アンポールさんとディディエさんは罰金を支払った上で、ズズを没収されるかもしれないとの恐れから、ズズを隠れて飼育していたという。

「ズズはイヌよりも愛情深い」とアンポールさんは言う。「私たちを見ると、地面をごろごろ転がって、鳴き声をあげるんです」

(c)AFP